英国によるEU離脱の一方的撤回は「可能」 法務官が見解示す
(CNN) 英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、欧州司法裁判所(ECJ)の法務官は4日、英国政府が一方的に離脱通告を取り下げ、手続きを中止することは可能との見解を明らかにした。
カンポス・サンチェス・ボルドーナ法務官はECJへの意見書で、離脱手続きを定めたEU基本条約第50条により、英国が加盟各国の同意なしで離脱通告を撤回することは認められているとの判断を示した。
ECJの審理では多くの場合、法務官の意見に沿った最終判断が下される。
英国は昨年3月に第50条を発動し、EU離脱を正式に通告。2年後の来年3月29日に離脱することが決まっている。
これに対してスコットランドの離脱反対派が、一方的に撤回できるかどうかの判断を求め、ECJに審理が委ねられた。一方で英国政府側は加盟各国の同意が必要だと主張し、ECJの前に英国の最高裁が介入するべきだと訴えたが退けられた。
英議会は4日から、メイ首相がEUと合意した離脱案の審議を開始。11日に予定される採決で、同案を否決する可能性が高いとみられている。