南アの「人食い人種」事件、容疑者に終身刑の判決
ヨハネスブルク(CNN) 南アフリカの裁判所はこのほど、女性を殺害してその遺体を切断した罪に問われていた被告2人に対し終身刑の判決を下した。被告が昨年自首した際、遺体の肉を食べたことを示唆する発言をしたとされたため国内には衝撃が走り、「人食い人種事件」として裁判の行方に大きな注目が集まっていた。
裁判では3人の被告のうち33歳と32歳の被告に終身刑が言い渡された。もう1人の被告は無罪となった。地元メディアによると3人はいずれも無罪を主張していた。
検察によれば、心霊治療家を職業としている33歳の被告は昨年、32歳の被告の手を借りて25歳の女性を殺害。遺体を切断し、それぞれの部位を利用して伝統的な薬を作ったという。
この被告はその後警察署に行き、居合わせた警官らに「人肉を食べるのに飽きた」と告げたとされている。警官らにとってはにわかに信じがたい言葉だったが、被告の持っていたバッグから人間の手や脚が出てきたことで事件が発覚。被告の家を調べたところ、この他にも人体の部位が見つかった。
検察の報道官によれば、被告は人肉を食べたと話したことについて、逮捕後まもなく否定している。南アでは遺体の切断や人体の部位の保持は犯罪となるが、人肉食を直接禁じる法律はない。
CNNが入手した起訴状の中で、被告は幸運をもたらす薬を作るため女性や子どもの血液が必要だなどと話したとされている。
検察官は事件について「じつにむごたらしく、悪夢そのものだ」との見方を示した。