オランダの教会、一家の強制送還阻止へノンストップ礼拝 1400時間超す
(CNN) オランダの教会がアルメニア人の一家の強制送還を阻止するため、1400時間以上にわたって礼拝を続けている。教会には礼拝に出席しようとする信者らが大勢詰めかけたため、クリスマスの期間中は整理券を発行して対応することになった。
アルメニア人のタムラジアン一家5人は9年近くオランダに住んでいるが、政治亡命の申請が却下されたことから、10月25日、ベテル教会に助けを求めた。
オランダの法律には、礼拝が行われている間は警察が教会に立ち入ることができないという規定がある。そこでベテル教会の指導部は、ノンストップで礼拝をおこなって強制送還を阻止するという案を思いついた。
以後、数百人の牧師やボランティアが参加して10月26日から24時間連続で続けられてきた礼拝は1400時間を超えた。
オランダ移民相はこれまでのところ、一家の在留を認める措置を講じていない。
ベテル教会は先週の時点で、移民相が何も行動しないことに失望したと述べ、礼拝は続けると表明。一家の状況について知ってもらうため、移民相に新しい情報を提供したことを明らかにした。
タムラジアン一家の長女(21)は、教会が満員になっていることに勇気づけられてきたとツイートしている。ロイター通信の取材に対しては、「結果がどうなるかは分からない。それでもここ(オランダ)にいられることを望んでいる。私たちの家はここにあり、私たちはここに所属しているのだから。兄弟姉妹と私はオランダで育ち、9年近くもここで暮らしてきた」と話していた。
一家はこのクリスマスの間も、教会に立てこもったまま、クリスマスの奇跡が起きることを祈って過ごしている。