オランダの教会、800時間礼拝続ける 難民の強制送還防ぐ取り組み
(CNN) オランダのハーグにある教会が、亡命申請の却下を受けて国外退去を迫られているアルメニア難民の家族のために、昼夜問わず800時間以上にわたって礼拝を続けている。オランダの法律では、警察官は宗教儀式を行っている教会の中に立ち入ることができない。家族を強制送還から守るため、教会関係者やボランティアは礼拝を継続しながら、政府が解決に動くのを待ち続ける方針だ。
強制送還を阻止するための今回の計画は当初、ごく少数の人たちの間で秘密裏に開始された。1カ月以上が経過した現在、オランダ全土から数百人の聖職者、ボランティアがこの教会を訪れ、礼拝の継続に協力している。
同国のプロテスタント牧師団体のトップはCNNの取材に対し、今後も「必要とされる限り」礼拝を続けると明言した。当該の教会の関係者は、外で警察官が待機している様子はないとしながらも、教会は「通常より厳重に監視されている」と語った。
3人の子どもを含むアルメニア難民の家族は、2010年4月からオランダで暮らす。亡命を申請したが認められず、当局から国外退去を命じられている。このうち21歳の娘は、礼拝の開始以降ツイッター上で情報を更新。参加者への感謝の言葉を投稿している。
法律の専門家は、政府による介入が問題の解決につながると指摘する。移民問題担当大臣の報道官はCNNへの声明で「極めて特殊かつ例外的、また急を要する状況にある」ケースについては、政府の介入が可能になると述べた。ただ「オランダ国内に長く住んでいる、現地の学校に通っているといった要素だけでは、例外的状況とみなすには不十分だ」と付け加えた。
前出の牧師団体のトップによれば、この問題に関して、現在政府との間で非公開の話し合いが行われているという。