中国外務省出身の豪作家、中国で拘束
(CNN) 中国系オーストラリア人の作家、ヤン・ヘンジュン氏が中国国内でスパイの疑いをかけられ、拘束されたことが分かった。担当の弁護士が24日、CNNに語った。
中国の保安当局が家族への書面で、同氏の拘束を確認したという。同弁護士は本人との接見を求める構えだが、容疑の性質上、許可されるかどうかは分からないと話す。
オーストラリア外務省は声明で、拘束の理由について中国側の説明を求めていると発表。現地の領事を通して支援を試みると述べた。
中国を訪問しているオーストラリアのパイン国防相は同日、魏鳳和(ウェイフォンホー)国防相との会談でこの問題を取り上げる意向を示した。
ヤン氏は中国外務省に勤務した経歴を持つ。オーストラリアの市民権を獲得したが、米コロンビア大学の客員研究員として米国を中心に活動してきた。
今月17日、妻の連れ子の米国査証(ビザ)を受け取るために夫婦で中国入りしていた。
同氏の友人が翌日、ソーシャルメディアを通して連絡を取ろうとしたが、数日後になっても既読にならず、治安当局筋を通して拘束を知ったという。
ヤン氏はツイッターへの投稿などで、中国政府への批判を繰り返していた。
オーストラリアは昨年8月に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)による次世代通信規格「5G」の技術を締め出す決定を下し、中国の反発を招いていた。
ペイン外相は24日、ヤン氏の拘束とファーウェイ問題の関連を示す証拠はないとしたうえで、中国当局に「透明かつ公正」な対応を求めていると強調した。