ベネズエラ・カラカス(CNN) 政変に揺れるベネズエラの軍隊を離脱した元兵士2人がこのほどCNNの単独取材に答え、トランプ米政権に対して武器などの支援を求めた。支援があれば国内で不満を抱えた多数の兵士の蜂起が可能となり、「自由」を手に入れられると主張している。
現在ベネズエラ国外に住む元兵士2人は、米国からの軍事支援によって本国にいる味方に必要な装備を施したいと説明。現時点で軍から離脱する意志を持つ兵士数百人と連絡を取っているとしており、すでにテレビ放送を通じ、兵士らにマドゥロ政権に対する反乱を呼びかけたという。
そのうえで「ベネズエラの兵士として、米国に支援要請を行っている。情報伝達や武器の供給といった後方支援があれば、ベネズエラの自由を実現できる」と訴えた。また「米国の支援だけを必要としているわけではなく、ブラジル、コロンビア、ペルーなど、ベネズエラの独裁に反対するすべての兄弟国に協力を求めている」と付け加えた。
ベネズエラでは先ごろ野党指導者のフアン・グアイド国会議長が暫定大統領への就任を宣言。これを受けトランプ大統領がグアイド氏を正統な大統領として承認したほか、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)もベネズエラ軍に対して、円滑な権力の移行に力を貸すよう呼び掛けていた。
軍上層部のマドゥロ大統領に対する忠誠は揺るぎないものの、元兵士2人は政権に怒りを抱く下級将校や兵士ら数千人とメッセージアプリを通じて連絡が取れる状態にあると主張する。現在は、様々な派閥に分かれたこれらの勢力を結束させ、1つの集団にまとめようとしている最中だという。
一方で、米軍による大規模な介入については断固として拒否する姿勢を示した。元兵士の1人は「他国の政府がわが国に侵入するのは望まない」「侵攻が必要になるとしても、それはベネズエラの兵士が自国の解放を心から願って行うものでなくてはならない」と強調した。