ベネズエラ巡る決議案で米ロ対立、互いに拒否権行使 国連安保理
ニューヨーク(CNN) 国連安全保障理事会で28日、ベネズエラに関する2本の決議案の採決が行われ、いずれも否決された。採決では英国・フランス・米国の陣営と、ロシアおよび中国の陣営が対立した。
米国がまとめた決議案は、ベネズエラのマドゥロ大統領選出に至った選挙を「自由でも公正でもなかった」と位置付け、選挙のやり直しと外国からの援助受け入れを求める内容だった。
一方、ロシア案はベネズエラの内政に対する干渉を非難、ベネズエラに対する「武力行使の脅し」に言及していた。
ベネズエラでは今年1月以来、マドゥロ大統領と、自ら暫定大統領就任を宣言した野党指導者のグアイド国会議長の対立が続く。ロシアがマドゥロ大統領を支持しているのに対し、米国や欧州はグアイド氏を承認している。
ロシアのネベンジャ国連大使は理事会の冒頭で、米国には隠れた思惑があると非難、米国が支持を集めてベネズエラの政権交代を狙っていると訴えた。採決では米国案に対してロシアと中国が拒否権を行使した。
一方、米国のベネズエラ担当エイブラムズ特使は、「安保理の一部加盟国がマドゥロの盾になり、ベネズエラ国民の苦しみを長引かせている」と反論。
ロシア案に賛成したのはロシア、中国、南アフリカ、赤道ギニアの4カ国にとどまり、採択に必要な9カ国に達しなかった。米国と英国、フランスは拒否権を行使した。