米ボーイング、自動制御システムの問題認め謝罪 操縦士が最後まで格闘
737MAX8型機の失速防止システムMCASは、ライオン・エアー機の墜落原因となった可能性も指摘されている。暫定報告書はこの名称には言及していないものの、センサーの誤作動でMCASが作動して機首が下がった可能性が強まった。
MCASは機外に取り付けられたAOA(迎角)センサーの情報を受信して、失速の危険があると判断すると自動的に機首が下がる。
ボーイングは現在、このシステムのソフトウエアを変更する作業を進めている。4日の声明では、エチオピア航空とライオン・エアーの墜落に類似性があったことを認め、いずれの事故にもMCASがかかわっていたことを確認。「(エチオピア航空機の)フライトデータレコーダーの記録は、ライオン・エアー610便と同様に、AOAセンサーの誤った情報によってMCASが作動したことを示している」とした。
同社は再発防止のためにMCASのソフトウエア更新プログラムを公開する予定で、737MAX型機の操縦士を対象とする包括的な訓練や補助的な教育プログラムの実施も計画している。
暫定報告書の発表を前に首都アディスアベバで記者会見したエチオピアのモゲス運輸相は、同機の運航を再開する前に、ボーイングが飛行制御システムの問題について適切に対処したかどうか、航空当局が検証する必要があるとの認識を示した。
暫定報告書は一般には公開されておらず、墜落原因については特定していない。最終報告書がまとまるまでには最長で1年かかる見通し。