米ボーイング、自動制御システムの問題認め謝罪 操縦士が最後まで格闘
(CNN) エチオピア航空が運航する米ボーイングの新型機「737MAX8」が墜落した事故で、操縦士は離陸から墜落までの6分間、同機の自動飛行制御システムと格闘し続けていたことが、CNNが4日に入手した暫定報告書で明らかになった。
ボーイングは同日、機体の失速を防ぐ目的で搭載された「MCAS」と呼ばれるシステムに問題があったことを認め、ミュレンバーグ最高経営責任者(CEO)が謝罪した。
暫定報告書によると、墜落したエチオピア航空機では、機体の失速を防ぐはずの自動制御システムが作動して何度も機首が下がり、機長と副操縦士はほぼ6分間にわたって制御を試みていた。
737MAX8型機を巡っては、昨年10月にインドネシア沖で墜落したライオン・エアー機でも同様の問題が伝えられており、運航再開を目指すボーイングにとっては大きな打撃となる。
ボーイングのミュレンバーグCEOは4日に発表した声明で、ライオン・エアーとエチオピア航空の墜落事故について、「人命が失われたことを申し訳なく思う」と謝罪した。
暫定報告書によると、エチオピア航空機の機長は3回にわたって副操縦士に「プルアップ」と声をかけ、機首を上げるよう指示していた。しかし2人が力を合わせても同機を制御することはできず、失速防止システムによって機首が下がる現象が4回繰り返されていた。
最後は操縦士が首都アディスアベバの空港へ引き返そうとしたが、自動制御システムが再び作動して機体が急降下、制御不能に陥って墜落した。搭乗者は157人全員が死亡した。