「裁判官のかつら」に多額を拠出、ジンバブエ政府に批判噴出
(CNN) アフリカ南部のジンバブエで、裁判官が法廷で着けるかつらを英国から輸入するために政府が多額を費やしていたことが発覚して非難の的になっている。
地元紙インディペンデントによると、ジンバブエの司法サービス委員会は英ロンドンの法服店に馬の毛でできたかつら64点を注文していた。値段は1点あたり1850ポンド(約27万円)、総額11万8400ポンド(約1700万円)だった。
同店の経営者はCNNの取材に対し、ジンバブエにかつらを販売したことを確認した。ただし注文数については、インディペンデント紙の報道とはほど遠いとしている。
ジンバブエでは英国の植民地時代の名残りで裁判官がかつらを着ける伝統がある。しかし弁護士や人権団体からは批判の声が噴出した。
著名ジャーナリスト、ホープウェル・チノノ氏は、「小児病棟の子どもたちのための包帯や医薬品も買えない政府が、英国からかつらを調達するために15万5000ドルを費やす理由をどう説明するのか」「口先では主権や反植民地を叫んでいながら、いまだにおぞましいかつらを着けているとは」と訴える。
一方、ロンドンの法服店の経営者は、伝統的な法服を身に着ける裁判官は法廷で尊敬を集めると反論し、「法において制服は重要だ」と強調している。
裁判官のかつらはマラウイ、ガーナ、ザンビアなどの国で今も使われている。一方、南アフリカやオーストラリアの裁判所の多くはこの習慣を廃止した。