イスラエル総選挙 右派勢力で過半数、ネタニヤフ首相が5期目続投へ
エルサレム(CNN) 9日に実施されたイスラエル総選挙で、ネタニヤフ首相の与党リクードを中心とする右派陣営の勝利が確実となった。ネタニヤフ氏は首相続投5期目に入る見通しだ。
イスラエルのメディアによると、開票率97%の時点で右派陣営は、国会の定数120のうち65議席と過半数を確保。リクードと接戦を展開した新興政党連合「青と白」など中道・左派陣営は55議席にとどまっている。
リクードと「青と白」がそれぞれ単独で獲得した議席は35と同数だったが、リクードとの連立が見込まれる宗教政党などが健闘した。
「青と白」を率いるガンツ元軍参謀総長は10日夜に敗北を認め、民主主義者として国民の決断を受け入れると表明した。
ネタニヤフ氏は9日夜の勝利宣言で国民の信頼に感謝すると述べ、右派連立政権の樹立に向けた組閣に着手する意向を示していた。
同氏が続投すれば、この夏には首相在任期間が初代のベン・グリオン氏を抜き、同国史上最長となる。
トランプ米大統領は10日、ツイッター上でネタニヤフ氏の勝利を祝い、米国は常に同氏とイスラエル国民の味方だと呼び掛けた。
ネタニヤフ氏は選挙戦終盤で、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地を併合する計画を示すなど右傾化の色を強め、左派が勝利すれば弱腰政権になると警告していた。
同氏をめぐっては、検察が汚職疑惑で起訴する方針を示しているが、本人は疑惑を否定し、左派勢力とメディアによる「魔女狩り」だと主張している。