「中国で北朝鮮女性数千人が性奴隷に」 英団体が報告
(CNN) 北朝鮮から脱出した女性や少女ら数千人が中国で人身売買の被害に遭い、中国人男性との結婚を強制されたり、売春宿やポルノサイトでの性労働を強いられたりしているとの報告が発表された。
英ロンドンを拠点に北朝鮮の女性、子どもへの人権侵害を追及している団体「朝鮮未来イニシアチブ(KFI)」が2年間を費やし、性暴力の被害者45人以上から話を聴いて報告をまとめた。
わずか12歳の少女が強姦された話、性行為を配信するポルノサイトで食事抜きのまま何日間も働かされた話など、衝撃的な体験談が紹介されている。
CNNは中国外務省にコメントを求めたが、回答は得られていない。
北朝鮮を出て韓国以外の国に暮らす人々の正式な数は不明だが、2014年の国連報告によると中国には数万人が住んでいるとみられる。KFIの推計によればその人数は20万に達し、うち女性の6割が性産業に身売りされる。
KFIは「非難するだけでは不十分だ」と主張。中国の性産業を取り締まり、女性を差別する北朝鮮の体制に立ち向かい、中国各地の売春宿や遠隔地、ポルノサイトの密室から女性たちを救出しなければならないと呼び掛けている。
北朝鮮から脱出した女性たちの人身売買は長年指摘されてきた問題だが、中国での需要が急増したため、事態は近年さらに悪化しているという。
中国では長年の人口抑制策で男女比が不均衡になり、男性の結婚難を解決するために人身売買業者が北朝鮮女性をあっせんするケースの報告は後を絶たない。