欧州議会選 ポピュリスト伸び悩み、リベラル政党が議席増
ロンドン(CNN) 欧州連合(EU)加盟の28カ国で欧州議会選が23日から26日までの日程で実施された。26日夜時点の予測では、欧州議会内で一大勢力となるという欧州懐疑派の希望は実現しなさそうだ。一方で、有権者は、親EUの「緑のグループ・欧州自由連盟」やリベラル系の政党を支持したとみられる。
緑のグループ・欧州自由連盟はドイツをはじめ欧州全体で票を集めた。ドイツの地元メディアによれば、若年層の有権者の3分の1から票を集めて第2党の位置につけるとみられている。
英国では親EUの自由民主党が予想を上回る健闘を見せて第2党となる見通し。
フランスでは、ルペン党首が率いる右翼「国民連合(RN)」が第1党となるとみられている。マクロン大統領が率いる親EUの「共和国前進(REM)」はわずかに及ばなかった。
フランスではルペン党首率いる国民連合が第1党となる見通し/Thibault Camus/AP
イタリアでは、サルビーニ副首相が率いる「同盟」が第1党となるのが確実となった。
国民主義者やポピュリストの政党は事前予測よりも勢力を拡大しなかったものの、無視することはできない成功も収めた。イタリアとフランスはこれまでEUの歴史の中核とみなされてきたが、両国で国民主義勢力が勝利を収めている。
今回の選挙結果はEUを維持しようとする人々にとっては朗報だが、これまで議会で多くの議席を押さえてきた政党にとっては厳しい結果となった。これまで最大会派だった中道右派の「欧州人民党(EPP)」と、第2会派だった中道左派の「社会民主進歩同盟(S&D)」は大きく議席を減らした。
投票率は50.95%と1994年以降で最高の水準だった。