中国、米国留学希望する学生らに異例の警告 ビザ遅延など
香港(CNN) 中国の教育省は3日、同国から米国留学などを予定している学生や研究者に向けて、ビザ制限や発行手続きの遅れに注意するよう異例の警告を発した。
教育省はこの日、海外留学に関する今年初の勧告を出した。この中で、米国で学ぼうとする学生や研究者は「適宜、準備するべき」だと呼び掛け、ビザの制限や申請拒否、審査長期化、有効期限の短縮などが起きていると指摘した。
同省が特定の大学に関して勧告を出すことはあるが、相手国全体を対象とするケースは珍しい。
この警告は中国版ツイッターの「新浪微博(ウェイボー)」上で拡散し、3日までに閲覧回数が2100万を超えた。
正式な勧告に先立ち、同省の国際交流担当者は、米政府が中国脅威論などを口実に教育交流を政治化していると非難した。
米議会では今年3月、共和党議員らのグループが、中国軍に所属したり支援を受けたりしている学生や研究者へのビザ発給を禁止するという法案を提出した。
米中間の貿易摩擦が激しさを増すなか、トランプ米大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席は近く、日本で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談する予定。事態打開への糸口となることが期待されている。