大型サイクロン、インド上陸なしか 進路に変化
(CNN) インド北西部グジャラート州に接近し、上陸も懸念されていた強い勢力を持つサイクロン「バユ」の進路に変化が生じ、上陸せず同州沿岸部近くを通過する可能性が出て来た。
インドの気象観測当局の責任者は13日、CNNの取材に応じ、バユは北部や北西方面へ移動しており、アラビア海の北東海域に入ったとし、この動きからは上陸はないだろうと分析した。沿岸部をかすめるような形になるだろうとも予測した。
この責任者によると、バユは約37~40メートルの風速を伴って13日午後までに沿岸部に到達する見通し。これを受け今後、豪雨、強風や高潮が観測される見通し。ただ、これらの脅威はそれほど大きくなく、遠い内陸部まで及ばないとも考えられている。
現在はグジャラート州沖合にあるディウ島から南南西へ約150キロ離れたところに位置する。同州ベラバル市からは南西へ約110キロ離れている。
バユの進路の変更は、過去12〜24時間の間に判明した。
ただ、勢力は今なお、5段階あるハリケーンの下から2番目のカテゴリー2に相当している。今後12〜18時間に同様の勢力を保ち、グジャラート州沖合を通り過ぎるとも予想された。この後、アラビア海上をさらに移動し、15日には勢力を弱めるともみられる。
当局は既にバユの脅威を危惧し、沿岸部の住民ら30万人を避難させる措置を講じた。
インドの空港管理当局はバユ接近を受け、グジャラート州地域にある5カ所の空港で現地時間の12日深夜から13日にかけて発着便を中断させた。また、鉄道当局は同州内の被害を受けそうな地域での70便の運行停止を発表してもいた。