ロシア爆発、大統領府が沈黙破る 「事故は起きるもの」
モスクワ(CNN) ロシア大統領府のペスコフ報道官は13日、原子力の専門家5人が死亡した爆発事故に初めて言及し、「事故は起きるものだ」と述べつつ、ロシアは先端兵器の開発で依然大きく先行しているとの認識を示した。
8日の爆発を巡っては、原子力推進式巡航ミサイルが絡む事故だったのではないかとの臆測が国際的な広がりを見せている。ペスコフ報道官は、こうした臆測の真偽について確認することは控えた。
ただ、ペスコフ氏は記者会見で、事故により先進的な軍事能力の開発を目指すロシアの取り組みが後退することはないと強調。こうした問題について権威ある発言をできるのは専門家だけだと前置きした上で、「残念ながら事故は起きるもの。悲劇だ。しかし特に今回のケースにおいては、事故で命を落とした英雄たちを追悼することが重要だ」と述べた。
そのうえで、プーチン大統領の主張をなぞる形で、ロシアによる技術開発の取り組みは依然として「他国の達成水準の相当先を行っている」との認識を示した。
ロシアでの事故を巡り、トランプ米大統領は「失敗に終わったミサイル爆発から多くを学んでいる」とツイートし、米国はより高度な同様の技術を有していると主張している。
このトランプ氏の発言についてペスコフ氏は「世界の他のどの国より多額の国防費を投じる超大国がそうしたプロジェクトに関わっていなかったら、間違いなく非常に奇妙なことだ」と指摘した。
事故ではロシアの国営原子力企業ロスアトムが専門家5人の死亡を確認した。犠牲者の総数は依然不明。地元当局は事故後に放射線レベルが一時上昇したと報告したものの、ロシア国防省は正常値だったとしている。