香港デモで警察が実弾発砲、放水銃使用も
香港(CNN) 香港の新界地区で25日夜、デモ隊に対応していた警官が実弾で威嚇射撃した。3カ月前から週末ごとに繰り返されてきたデモで、実弾が発射されたのは初めて。
現地のCNN系列局が撮影した映像には、警官4人が金属パイプを持ったデモ集団に追われ、銃を抜いて構える場面が映っている。銃口を向けられた人々がデモ参加者なのか報道陣なのかは明らかでない。
銃口を向ける香港警察=25日/Billy H.C. Kwok/Getty Images AsiaPac/Getty Images
この日のデモでは当初、数千人が平和的に申請済みのルートを行進していた。参加者らは雷雨の中、レインコートを着て集まり、無数の傘が通りを埋め尽くした。
その途中で一部の集団が別れ、未認可のルートに侵入。道路の柵や三角コーンを使ってバリケードを築いたり、警官にれんがや火炎瓶を投げつけたりした。
警官は催涙ガスや放水銃で対応した。警察報道官によると、デモへの対応で放水銃を使ったのも6月以来で初めてだった。
警察が催涙ガスを発射する様子=25日/LILLIAN SUWANRUMPHA/AFP/AFP/Getty Images
香港の暴力は先週、小康状態が続いていた。しかし匿名の警察幹部らが語ったところによると、警官らの連絡先、住所などがインターネット上で公開され、家族が脅迫を受けるケースもあった。幹部らはデモ隊による「心理戦」だと非難し、個人情報を流出させた疑いで16人が逮捕されたことを明らかにした。
デモ隊が民主化を叫ぶ一方で警察や政府に共感を示す住民も多く、25日には警察との関係修復を訴えるデモも実施された。