イタリア連立協議が妥結、総選挙回避へ 右派党首に打撃
(CNN) イタリアの反既成政治政党「五つ星運動」と中道左派の「民主党」は28日、新たな連立政権を樹立することで合意した。右派政党「同盟」を利する可能性のある解散総選挙を避けた形となった。
イタリアでは五つ星と同盟が連立を組んでいたが、数カ月にわたる内紛の末に崩壊。これを受け、対立関係にある五つ星と民主党が連立協議に入っていた。
同盟のサルビーニ党首は自身の人気を追い風にしようと、数カ月前から新たな選挙の実施を求めていた。しかし今回、五つ星と民主党によって連立から外される結果となり、サルビーニ氏の狙いは裏目に出た。
民主党のジンガレッティ党首は28日、連立樹立はイタリアにとって「真の転換点」になると指摘し、単なる権力の移譲ではないと強調。「我々はイタリアを愛しており、この実験は試す価値があると考えている」と述べた。
五つ星と民主党の指導部はマッタレッラ大統領に対して、コンテ首相の続投を求める考えを伝えた。コンテ氏は先週辞任を表明し、サルビーニ氏が提出した不信任案の採決を事実上回避していた。
マッタレッラ氏の報道官によると、コンテ氏は29日午前に大統領と面会する予定で、コンテ氏に組閣の権限が与えられるものとみられている。
一方、サルビーニ氏は28日夕、記者団に「五つ星と民主党を結束させているのは同盟への憎しみだけだ」と指摘。「6000万人のイタリア国民は議席を失うのを恐れる議員100人によって人質に取られている」と主張した。