ボディーガードに職人暴行を指示、サウジ王女に有罪判決 フランス
パリ(CNN) フランスの裁判所は12日、パリにある高級アパートの改修に訪れた職人への暴行をボディーガードに指示したとして、サウジアラビアのハッサ・ビント・サルマン王女に有罪判決を言い渡した。
王女はサウジのムハンマド皇太子の姉。公判は王女不在のまま行われ、裁判所は執行猶予付きの禁錮10カ月と罰金1万ユーロ(約120万円)を言い渡した。ボディーガードには執行猶予付きの禁錮8カ月と罰金5000ユーロを科した。
事件が起きたのは2016年9月。職人の証言によると、王女は自分の写真と動画を撮ったとして職人を非難。その後、ボディーガードが暴行に及んだ。ボディーガードは職人を殴打して手首を縛り上げ、頭に銃を突き付けたうえ、王女の足にキスするよう命じたとされる。
ハッサ王女の弁護士は判決を受け「信じられないという思いと憤りを感じる」と説明。上訴する考えを示したうえで、王女は完全に無実だと強調した。
職人の以前の証言によると、現場アパートのバスルームで「参考のため」家具の写真を撮っていたところ、鏡に王女が映っているのに気付いた。
王女は職人の姿を目にすると、電話を取り上げるようボディーガードに指示。王女は続けて職人を押さえつけて顔面を蹴ったという。
職人から通報を受けた警察は2時間にわたり王女に事情聴取した後、身柄を解放した。その3日後に王女は出国した。判事は何度か王女に接触しようとしたものの連絡が取れず、17年に国際逮捕状を発布していた。