ボリビア大統領が辞任 不正選挙の指摘受け
(CNN) 南米ボリビアで先月4選を果たしたモラレス大統領が10日、選挙での不正を指摘され、抗議の声が高まるなかで辞任した。
モラレス氏はテレビ放送を通し、「国家のために」辞任すると表明した。
同国では先月20日に実施された大統領選の結果をめぐって抗議デモが激化し、3人が死亡、数百人が負傷している。モラレス氏はこれに「深い遺憾」の意を表し、数時間以内に議会へ辞表を提出すると述べた。
モラレス氏は同国初の先住民出身大統領として、約14年前に就任した。4期目続投に向けた大統領選では、野党勢力が選管当局による不正を主張したが、同氏はこれを否定し、勝利を宣言していた。
開票作業では当初、野党候補だったメサ元大統領との差が小さく、決着は12月の決選投票に持ち越される見通しだった。しかし集計が約24時間にわたって中断した後、モラレス氏が一気にリードを広げた。
米州機構(OAS)の選挙監視団が出した報告書も、集計結果が操作された疑いを指摘し、新たな選管組織の下で選挙をやり直すよう勧告した。国内では野党からの非難に警察や軍司令官も同調の動きをみせ、モラレス氏の退陣を求める声が高まった。
モラレス氏は辞任表明の数時間前、選管を入れ替えて再選挙を実施すると表明したばかりだった。
大統領ポストをだれが引き継ぐのかは不明。ガルシア・リネラ副大統領もモラレス氏の直後に辞任を表明している。憲法が定める継承順位で次に位置するのは30歳のサルバティエラ上院議長だが、同氏も10日夕に辞任を表明した。