インド強姦殺人の容疑者4人、警察が射殺 現場検証中に「銃撃戦」

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容疑者4人が射殺された現場付近を訪れる警官ら/NOAH SEELAM/AFP/AFP via Getty Images

容疑者4人が射殺された現場付近を訪れる警官ら/NOAH SEELAM/AFP/AFP via Getty Images

(CNN) インド南部で先週起きた強姦(ごうかん)殺人事件で、当局者は6日、現場検証に立ち会っていた容疑者4人の一部が警官から銃を奪い銃撃戦となり、容疑者全員が射殺されたと明らかにした。

事件は先週、南部のテランガナ州ハイデラバードで発生。獣医師の女性(27)が性的暴行を受けた後、首を絞められて殺され、遺体に火を付けられた。この事件に関連して男4人が逮捕された。

女性の焼け焦げた遺体は先月27日、高速道路のガード下付近で見つかった。これを受け全国から憤りの声が上がり、ベンガルール(バンガロール)や首都ニューデリーなどの主要都市では抗議行動も発生。デモ参加者の多くが死刑を求めるスローガンを叫んでいた。

容疑者の男らは20~26歳で、2人がトラック運転手、2人がトラックの清掃業者。現場検証への立ち会いのため、6日午前3~6時に犯行現場に連れて行かれた。

4人の容疑者が射殺された現場に集まる市民/Mahesh Kumar A/AP
4人の容疑者が射殺された現場に集まる市民/Mahesh Kumar A/AP

地元警察幹部はCNNに対し、襲撃の様子を再現するために容疑者を現場に連れていったところ「銃撃戦」となり、4人とも射殺されたと説明。「容疑者の一部が警察から武器を奪って発砲した」「警察は自衛のために発砲した」としている。

救急車が手配されたが、その場で死亡が確認された。当時現場にいた警察官の人数や武器が奪われた方法などの詳細は明らかになっていない。ハイデラバード警察は6日中に記者会見を開くと発表した。

被害者の遺族は警察の対応を称賛する一方、議員や人権団体からは批判の声が上がっている。

女性の父親は6日、地元テレビの取材に、警察の行動によって「娘の魂はついに安らぎを得られるだろう」と語り、州政府と警察、支援者に感謝の意を示した。

容疑者4人が射殺された現場付近を訪れる警官ら/NOAH SEELAM/AFP/AFP via Getty Images
容疑者4人が射殺された現場付近を訪れる警官ら/NOAH SEELAM/AFP/AFP via Getty Images

ただ、射殺された状況から、警察による処刑ではないかとの疑念が生じている。

与党・インド人民党(BJP)の議員は「公判前に射殺するのであれば、裁判所や警察、法律は何のために存在するのか」と問いかけ、法的手段を通じて対応すべきだとの見方を示した。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、独立性の高い調査を要求。インド支部の責任者は「超法規的殺人はレイプを未然に防ぐ解決策にはならない」と指摘した。

女性の権利や暴行事件を専門とするインド最高裁の法律専門家は、容疑者の死亡により容疑者が有罪か無罪かを知るすべがなくなったと指摘した。

容疑者が射殺された現場の検証を行う法医学の専門家とそれを見守る警察官/Mahesh Kumar A/AP
容疑者が射殺された現場の検証を行う法医学の専門家とそれを見守る警察官/Mahesh Kumar A/AP

国家犯罪統計局によると、インドでは毎日約100件の性的暴行事件の通報があり、2017年には年間3万2000件超の事件が発生した。ただ、専門家は実際の被害件数はこれよりはるかに多い可能性があると言及。暴行被害を恥と考えたり、様々な社会障壁が原因で通報に至らないケースがあると指摘する。

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