ガラパゴス諸島で石油流出、野生生物への影響に懸念
(CNN) ユネスコの世界遺産に指定された南米エクアドルのガラパゴス諸島で、貨物船が転覆して2000リットル以上の石油が流出し、沿岸警備隊が流出を食い止める作業に当たっている。地元当局がツイッターで明らかにした。
ガラパゴス諸島は独特の生態系を持ち、世界中でこの地にしかいない固有種が多数生息する。
エクアドル沿岸警備隊によると、ガラパゴス諸島の最東端にあるサンクリストバル島で22日、大型コンテナを貨物船の甲板に積み込む作業を行った際に、石油が流出した。
現場をとらえた映像には、クレーンがコンテナを制御できなくなって船上に倒れ、船とコンテナを巻き込んで海上に投げ出される様子が映っている。
同船の乗員は、転覆する船から海に飛び込んで避難した。地元メディアによれば、乗員にけが人はいなかった。
サンクリストバル島にはアシカやゾウガメなどの野生生物が生息しており、観光で訪れる場合は動植物を守るために厳格なルールに従う必要がある。
ガラパゴス諸島にあるイザベラ島の火山岩の上で体を休めるアオアシカツオドリ=1月21日 /Chris J Ratcliffe/Getty Images
保護団体などは、観光客が増えすぎたためにガラパゴス諸島の生態系が脅かされているとして、懸念を強めていた。
保護団体の「SOSガラパゴス」は流出現場の写真を公開し、「違法かつ危険」な操業が行われていたとして非難した。沿岸警備隊は、流出を食い止めるための緊急対策に乗り出したと発表している。