コアラの3分の1が死亡か、豪州NSWの山林火災
(CNN) オーストラリア連邦政府のスーザン・レイ環境相は29日までに、甚大な被害が出ている同国東南部ニューサウスウェールズ州(NSW)の山林火災に触れ、州内に生息する豪州のシンボル的な動物コアラの約3分の1が殺された可能性があると指摘した。
同国ABC放送のラジオ番組で述べた。生息地の最大30%が破壊された事実に基づく懸念となっている。 鎮火が実現し、適切な評価作業が実施されれば実態が判明するだろうと語った。
NSW内に生息するコアラの総数は伝えられていない。
強風と気温上昇にあおられた山林火災は過去2カ月間余続く。犠牲者は今月21日までに計9人で、1人が行方不明。約800戸の民家が焼失した。
火災の影響でコアラの生態も脅かされており、消防士がコアラを救出する事態も生じている。レイ環境相はコアラの専門家と協力し、救済方法を模索していると指摘。資金を投入して安全地帯へ逃がす回廊設置や病院で手当てを受けた個体の自然環境への復帰などに努めているとした。
豪州は今年、過去数十年間では最悪級の干ばつに直面し、記録的な熱波にも見舞われている。同国気象局は先週末から今週にかけ新たな熱波が襲来し、山林火災がさらに悪化する恐れもあると警告していた。