豪火災で集落がほぼ全滅 逃げ遅れた男性、自作の窯に隠れて無事

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インタビューに応じるスティーブ・ハリソンさん(67)/Reuters/ABC

インタビューに応じるスティーブ・ハリソンさん(67)/Reuters/ABC

(CNN) オーストラリア各地で続く大規模火災で、逃げ遅れて猛火に包まれた男性が、自分で作った窯の中に隠れて難を逃れる出来事があった。

今回の火災では、集落が丸ごと猛火にのまれ、住宅が軒並み全焼する被害も出ている。ニューサウスウェールズ州(NSW)シドニー南西部のバルモラルも大規模な火災に見舞われた。

ABC放送によると、住民のスティーブ・ハリソンさん(67)は、自宅を守るために残ったものの、その敷地も猛火に包まれた。

「走ってトラックに乗ろうとしたが、庭も進入路も道路も火に包まれていて、避難できなかった」とハリソンさんは振り返る。「実はその前日、自分で小さな窯を作っておいた。棺桶(かんおけ)ほどのサイズで、自分1人が潜り込むのにちょうどいい大きさだった」

ハリソンさんはこの中に30分ほど隠れて猛火をしのいだという。

万が一の事態に備えてこの窯を作っていなければ、自分は死んでいたかもしれないというハリソンさん。窯の中には消化器とバケツに入った水、飲料水のボトル、防火用毛布も用意していた。

NSW州のグラディス・ベレジクリアン知事は22日の記者会見で、バルモラルにはほとんど何も残っていないと語った。バルモラルの人口は400人前後。火災に襲われたのは3日間で2度目だった。

気温は23日までにやや下がったものの、週末にかけては再び猛暑が戻る見通し。CNN系列局のナインニュースによれば、オーストラリア全土で今も約200件の火災が続いており、これまでに9人が死亡、1100棟の建物などが焼失している。

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