豪森林火災、首都で進む大気汚染 政府機関も閉鎖
オーストラリア・イーデン(CNN) オーストラリアで過去最大規模の森林火災が続く中、首都キャンベラでも大気汚染が深刻化している。街は火災現場から流れてくる煙に覆われ、6日には大気の質の悪化を理由に市内にある政府の施設の一部が閉鎖に追い込まれる事態となった。
同日のキャンベラは、大気汚染の程度を示す指標「空気質指数(AQI)」で、北京の170を大幅に上回る340超を記録した。
オーストラリアではこの数十年間で最悪となる森林火災が猛威を振るっており、家屋や野生動物の生息域に甚大な被害が出ている。火災によるこれまでの死者は全国で24人に上る。
CNN系列局のSBSが報じたところによると、内務省は職員らに対し、キャンベラ市内に設置した本部に出勤しないよう指示した。また保健省も、一部の施設で業務を行わないよう職員らに通達した。
このほか、児童福祉センターを数多く運営するYWCAキャンベラは、豪首都特別地域とニューサウスウェールズ州のマルンバットマンでのあらゆるサービスを6日いっぱい停止すると発表。フェイスブック上の声明で「危険なレベルの煙害」に言及し、スタッフや子どもたちの健康を確保するための措置だと説明した。
キャンベラにあるオーストラリア国立美術館も6日は大気汚染を理由に閉館。館のウェブサイトに掲載した声明で、「閉館により来場者や職員、展示されている美術品に対するあらゆるリスクを軽減できる」と述べた。
森林火災についてモリソン首相は5日、一部の州にとって最も困難な時期が1月終わりから2月にかけて訪れると警鐘を鳴らし、「危機は終わっていない」との見方を示した。