グレタさん、ダボス会議で演説 「今すぐに行動を」
スイス・ダボス(CNN) 環境危機を訴えるスウェーデンの活動家グレタ・トゥーンベリさん(17)が21日、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で演説し、地球温暖化対策が何も進んでいないとして各国首脳らを叱責(しっせき)した。
演説では、国連の気象変動に関する政府間パネル(IPCC)が2018年に出した報告書を改めて引用した。それによると、世界が産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えるには、二酸化炭素(CO2)をあと420ギガトンしか排出できない。現状のままでは約8年半でその上限に達すると予想される。
グレタさんは、世界のメディアや指導者らが報告書の内容を全く伝えていないと主張。「この問題を報道したくない、語りたくないのは分かる。でも私は皆さんがそうするまで、同じ数字を何度でも繰り返す」と宣言した。
グレタさんは昨年のダボス会議にも招かれ、温暖化の危機を訴えて注目を集めた。世界中で名を知られるようになったが、それだけでは足りないと強調。「化石燃料への補助金や投資をすぐにやめて。2050年でも30年でも、21年でもなく、今すぐに」と訴えた。
数時間後に演説したトランプ米大統領は、50年までに1兆本の木を植える運動に米国も参加すると表明した。
グレタさんはこれを受けてさらに、「木を植えるのは良いこと」だが、決して十分な対策ではないと指摘。「私たちの家は今も燃えている。皆さんの怠慢が1時間ごとに油を注いでいる」と警告した。