非白人のウガンダ活動家を写真から削除、AP通信が謝罪
(CNN) スイスで開かれた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)にアフリカ中部ウガンダから参加した環境活動家が、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんなど他国の活動家と一緒に記者会見の場で撮影された写真から、非白人の自分だけが切り取られて配信されたと訴えた。問題の写真を配信したAP通信は、事実関係を認めて謝罪した。
ウガンダのバネッサ・ナカテさんは若者の環境科学イベントに招かれてダボス会議に参加し、トゥンベリさんなどと一緒に記者会見に臨んだ。ところが配信された写真からはナカテさんが切り取られ、白人の4人だけが写っていた。
ナカテさんはインターネットにビデオ声明を投稿し、「自分の人生の中でこの時初めて、人種差別という言葉の定義を理解した」と告白。ツイッターを通じてAP通信に対し、「なぜ私をこの写真から削除したのですか? 私はこのグループの一員でした」と問いただし、「あなたは単に写真を消去しただけではない。あなたは大陸を消去した」と訴えた。
AP通信のサリー・バズビー編集主幹は24日、謝罪の声明を発表し、「今朝配信した写真から、唯一の非白人だったウガンダの環境活動家バネッサ・ナカテさんを切り取ったことを遺憾に思う」と述べ、「今回の誤った判断を教訓とする」と表明した。
今回の事態についてはトゥンベリさんも、「絶対に容認できない」と批判している。
ナカテさんが問題にした記事の写真は、ナカテさんが一緒に写っている写真と差し替えられた。
ナカテさんはその後のツイートで、「私が真ん中に立つべきだったという人はみんな間違っている! アフリカの活動家は、切り取られる不安があるというだけで真ん中に立たなければならないの?」と問いかけている。