香港、中国本土からの移動を大幅制限 専門家が警告も
(CNN) 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、香港政府は28日、中国本土との境界の多くを一時的に閉鎖し、旅行者の移動を大幅に制限する措置を発表した。
林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が記者会見で語ったところによると、30日深夜0時から追って通知するまでの措置として、本土からの旅行者に発給する観光ビザの数を抑え、航空機の便も半減させる。
バスの本数を減らし、本土と行き来する全フェリーの運航や香港とマカオ、広東省珠海市を結ぶ港珠澳大橋経由のバス運行を停止。本土へ通じる高速鉄道の西九龍駅を閉鎖し、一部の出入境検問所の業務も停止する。
香港政府はさらに、春節(旧正月)の連休が明ける29日以降も、救急要員などを除く公務員は在宅勤務とすることを決め、民間企業にも同様の対応を呼び掛けた。
香港では議員らや医療従事者の組合から、本土との境界閉鎖を求める声が高まっていた。
香港大学医学部の梁卓偉(ガブリエル・リアン)学部長は27日、新型コロナウイルスの感染者は潜伏期の患者を含め、公式発表の10倍に上っている可能性もあると指摘。当局が介入せず放置した場合、6日ごとに倍増するとの試算を示した。
梁氏らの研究チームによると、感染はすでに中国の各都市へ広がっているため、武漢市を事実上封鎖している措置に実効性はないとみられ、4~5月にピークを迎える恐れがあるという。