インドのバス強姦殺人、男4人の絞首刑執行 事件から7年

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事件発生から7年目の2019年12月に、レイプ被害者のための正義の実現がないことに学生などが抗議の声をあげた/Raj K Raj/Hindustan Times via Getty Images

事件発生から7年目の2019年12月に、レイプ被害者のための正義の実現がないことに学生などが抗議の声をあげた/Raj K Raj/Hindustan Times via Getty Images

(CNN) インドの首都ニューデリーで2012年、バスに乗車した23歳の女子学生が集団レイプされ殺害された事件で、当局は20日、市内の刑務所で死刑囚の男4人の絞首刑を執行した。

事件は12年12月16日の午後8時半ごろに発生。映画鑑賞を終えた被害者が交際相手の男性と一緒にバスで帰宅の途に就いたところ、走行中の車内で男らが2人の持ち物を盗んだ上、女性をバス後部に連れていき集団でレイプ、鉄の棒で殴打もした。男性も服をはぎ取られ暴行を受け、床に押さえ付けられた。

その後男らは裸の被害者を走行中のバスの前方ドアから放り投げひこうとした。被害者の服でバス内を清掃し、服は焼却処分した。携帯電話や腕時計、靴は「戦利品」として仲間内で分配した。

体や脳に重傷を負った女性はシンガポールの病院で治療を受けたものの、2週間後に死亡した。死の前に事件について当局に証言していた。

事件発生後間もなく、警察は容疑者の男6人を逮捕。最年長のバスの運転手(34)は起訴後に刑務所内で自殺した。家族は自殺ではなく殺害されたと主張している。

最年少の容疑者は当時17歳で、少年院で3年の禁錮刑に服し、15年に釈放された。

絞首刑となった男4人は2013年に有罪判決を受けたが、3人は判決を不服として最高裁に上訴。だが、コビンド大統領への恩赦嘆願も含め、すべての申し立てが退けられた。

この事件は世界各地で反発を招き、インド国内では被害女性に対する正義の実現を求めるデモが起きた。インドの法令では一部の犯罪について被害者の氏名公表を禁じており、女性は「恐れを知らない」という意味の「ニルバヤ」の名で呼ばれている。

活動家はインドにおける性的暴行の厳罰化を要求。公式統計を基にすると、インドでは2018年、16分に1回の割合でレイプ事件の通報があった計算になる。

性的暴行被害の通報が多い一方で、インドでは死刑の執行はまれだ。

インド国立法科大学によれば、2018年には20年近くで最多となる162件の死刑判決が言い渡された。だが、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、この年に死刑が執行された記録はない。過去20年で刑の執行を受けた死刑囚はテロリスト3人を含む数人で、近年は最高裁が死刑を終身刑に減刑する例が目立つ。

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