新型コロナ予防ワクチンの臨床実験、ドイツと米国で開始
(CNN) ドイツの製薬会社ビオンテックが米大手のファイザーと組んで、新型コロナウイルス予防ワクチンの臨床実験を開始した。年内に数百万回分のワクチンを供給できる可能性があるとしている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの29日の報道によると、ファイザーはワクチンの臨床実験を米国で5月4日の週にも開始する見通し。この秋には緊急時の利用が可能になる可能性もある。
ビオンテックはドイツで23日から臨床実験を開始し、「BNT162」のワクチン候補を被験者12人に投与したと発表した。結果はまだ明らかになっていない。
ドイツの臨床実験では、18~55歳の健康なボランティア約200人に1~100マイクログラムを投与して、適切な接種量を見極めるとともに、安全性と免疫原性を検証する。
ビオンテックとファイザーは、米国でも当局の承認を待って臨床実験を始める計画で、近いうちに承認されると見込んでいる。
ドイツでは22日に臨床実験が承認された。新型コロナウイルス対策ワクチンの臨床実験が行われるのは同国で初めて。
ファイザーは28日、ビオンテックと組んで新型コロナウイルス予防ワクチンの臨床実験を欧州と米国で実施すると発表。開発が順調に進んで当局に承認されれば大規模生産に乗り出す計画で、2021年には億単位で供給できるようになる可能性もあるとしている。
新型コロナウイルス予防ワクチンは、英オックスフォード大学ジェンナー研究所も23日から臨床実験を開始しており、結果次第では早ければ9月にも準備が整う可能性があるとの見通しを示している。