医療従事者、防護服不足の窮状をヌード姿で訴え ドイツ
(CNN) ドイツの医療従事者と思われる男女がヌード姿で登場し、労働環境や防護服の不足に危機感を訴えるウェブサイトが開設された。新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大する中、最前線で治療に当たる各国の医療従事者は、防護服など身を守るための装備の不足に危機感を募らせている。
ドイツ語のサイト「Blanke Bedenken」には、ヌード姿の男女の写真が掲載されており、一部は聴診器などの医療器具や人体模型、トイレットペーパーなどで身体を隠している。
運動を組織した団体は、サイトに掲載した声明の中で、「私たちはあなたの家庭医です。あなたを安全に治療するために防護服が必要です。手元に残り少なくなった分を使い果たせばこんな姿になります」と訴えた。
さらに、「私たちは全員が無防備です。医療現場にはもっと政治からの支援が必要です」と言い添えた。
ウェブサイトでは政治からの支援を訴えている/Blanke Bedenken
CNNの取材では、同サイトの信憑性(しんぴょうせい)についても、サイトを運営している人物や団体についても確認はできていない。取材の申し込みにも返答はなかった。
ドイツ連邦保健省はCNNの取材に対し、国内の流通業者と連携して医療用品を供給しており、先週末までに防護マスク約1億3300万枚を配布したと説明している。
ドイツでは全土で公共の場でのマスク着用が義務付けられており、27日にはフェースマスク1000万枚が中国から到着。ドイツ軍のチャーター便2便でさらに防護マスク約1500万枚が届くことになっている。
政府の広報担当は医療用防護具は世界的に不足していると述べた/Blanke Bedenken
米ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、ドイツでこれまでに報告された新型コロナウイルスの症例は15万9000例以上、死者は6000人を超えている。