フランスで昨年末に新型コロナ患者 医師らが検出
(CNN) 仏パリの病院が昨年末に採取していた入院患者の検体から、新型コロナウイルスが新たに検出された。同国で最初の感染例が報告される数週間も前から、新型ウイルスが存在していたことになる。
パリ北郊のセーヌサンドニ県にある病院の集中治療専門医らが3日、抗菌薬の専門誌IJAAに発表した。
同病院のチームは昨年12月2日から今年1月16日までの間にインフルエンザのような症状で入院し、最終的にインフルとは診断されなかった患者らについて、凍結保存されていた検体を調べた。
その結果、アルジェリア生まれの男性(42)から採取していた検体で新型ウイルス陽性の反応が出た。
男性は長年フランスに住み、魚売りの仕事をしてきた。外国旅行は昨年8月にアルジェリアを訪れたのが最後で、中国に行ったこともなかった。男性の子どものうち1人も体調を崩していたという。
チームは、この患者に中国とのつながりや渡航歴がないことから、12月末の時点でフランス国内に感染が広がっていたことがうかがえると指摘する。
同国の公式発表としては1月24日、中国・武漢市への渡航歴がある2人の感染が報告されたのが初めてだった。
欧州で最大の被害が出たイタリアでも、1月31日にローマで中国人観光客2人の感染が確認されたのが初の症例とされる。国内での感染例は2月末になって北部コドーニョで報告された。
新型ウイルス感染が最初に確認されるより前から感染者や死者が出ていたかどうかについては、米国でも同様の研究が始まっている。