ロシアの病院で医師らの転落相次ぐ 2人死亡、1人重体
モスクワ(CNN) ロシアでこの2週間のうちに、第一線の医師ら3人が相次いで病院の窓から転落し、2人は死亡、1人が重体となっている。
南西部ボロネジの放送局が地元保健当局者らの話として伝えたところによると、同市内の病院では2日、救急医が勤務先病院の2階の窓から転落して重体となった。
救急医は先月22日、同僚の医師とインターネット上に動画を投稿し、新型コロナウイルス感染の検査で陽性判定が出たにもかかわらず勤務の継続を強いられていると訴えた。その日のうちに勤務先の病院に入院し、治療を受けていた。
同僚の医師はこれに先立ち、ソーシャルメディア上で防護具が足りないと訴えて病院当局を批判。偽情報を拡散したとして警察の取り調べを受けた経緯がある。
同医師はCNNとのインタビューで、救急医とは30日に互いの無事を確認したと語った。すでに病状は改善し、退院に向けて準備中との話だったという。
病院側は声明で、救急医から陽性判定の報告を受けてただちに勤務から外し、感染病棟への入院を勧めたと主張した。
救急医は最初の動画から3日後、病院長とともに新たな動画を収録し、前回の発言を「感情に流された」として撤回。病院長はこの中で、防護具が不十分な状態で職員を現場に送り出すことはないと強調していた。
一方、シベリア中部クラスノヤルスクの病院では、病院長代理が地元保健当局者らとの会合中に窓から転落し、1週間後の今月1日に死亡した。病院を新型コロナ患者の治療に使う案に対し、防護具不足を理由に抵抗していたとされる。
モスクワ郊外の軍施設内にある病院でも先月24日、新型コロナ感染の疑いで治療を受けていたとされる救急部門の責任者が転落死した。