ジョンソン英首相、ロックダウン緩和の方針発表 慎重論も
ロンドン(CNN) ジョンソン英首相は10日夜に放送されたテレビ声明で、新型コロナウイルス感染拡大を受けた国内のロックダウン(都市封鎖)措置を段階的に緩和する計画を明らかにした。これに対して野党や地方から、緩和を急ぐべきではないとの慎重論も出ている。
英国ではこれまで1カ月半に及んだロックダウン措置の下、必要不可欠な職種の要員以外は1日1回の運動と食品、医薬品の買い物を除く外出を禁じられていた。
ジョンソン氏は声明で、在宅勤務が難しい建設業、製造業などで従業員の職場復帰を認める一方、通勤にはできるだけ公共交通機関を使わないよう求めた。
外出自粛を求める「ステイ・アット・ホーム」に代わって、引き続き警戒を呼び掛ける「ステイ・アラート」のスローガンを掲げ、13日以降は戸外での運動を制限しないと述べた。市民は対人距離を確保したうえで公園での日光浴や地元以外へのドライブ、家族とのスポーツを楽しむことができる。
小学校の授業は早ければ来月1日に再開し、小売業やサービス業も7月再開を目安に今後の状況を見守る。外国から空路入国する旅客に対しては、近日中に隔離措置を設定する方針を示した。
一方、最大野党・労働党のスターマー党首はこの計画を「明瞭さに欠ける」と批判した。
ロックダウンを今月28日まで延長しているウェールズ、スコットランド、北アイルランドの各地域も、中央政府から相談はなかったと反発。スコットランド行政府のスタージョン首相は、緩和を急げば「出さなくてもいい死者を出すことになる」と警告した。
ジョンソン氏が先週、一部措置の緩和を予告したことを受け、週末のロンドンでは多くの市民が公園などに繰り出していた。