香港で数百人規模のデモ 新法適用の逮捕者も
香港(CNN) 香港で1日、新たに導入された「香港国家安全維持法」に抗議する数百人規模のデモがあり、警察によると新法違反容疑の2人を含む数十人が逮捕された。
香港島北岸の繁華街、銅鑼湾地区で集結したデモ隊に対し、機動隊が催涙スプレーを発射し、放水銃を導入した。
このデモで、まず「香港独立」の黒い旗を持っていた男性、続いて独立のスローガンを掲げた女性が逮捕された。
警察は少なくとも70人を逮捕したと発表。そのうち2人は香港国家安全維持法に違反した疑いだと述べた。
30日深夜に施行された新法は、国家分裂や政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託を犯罪として扱い、最高刑を終身刑とする内容。施行に先立って複数の民主活動団体が解散し、商店主らが反政府デモを支持するポスターを撤去するなどの動きがみられた。
香港では毎年7月1日の返還記念日に民主化デモが実施されてきたが、今年は警察の許可が下りていなかった。
新法では政治的な目的で公共交通機関や公共施設を破壊する行為もテロ活動とみなされる。中国本土で裁判が開かれたり、本土の警官が送り込まれたりする可能性もあり、香港に高度な自治を認めてきた「一国二制度」の崩壊が懸念される。