スペイン、ミンク10万匹近くの殺処分を命令 コロナ感染判明で
(CNN) スペイン東部アラゴン州の当局は16日、毛皮用にミンクを飼育している農場で新型コロナウイルスの集団感染が起きたことを受け、ミンク10万匹近くの殺処分を命じたと明らかにした。
アラゴン当局の声明によると、この農場では従業員7人が新型コロナ検査で陽性反応を示し、ミンクの感染も判明。当局はこれを受け、ミンク9万2700匹の殺処分を命じた。
農場は同州テルエルにある。当局は予防措置として、5月22日に農場を閉鎖したうえで無作為検査を起こったが、当初は陰性の結果が出ていた。
だがその後、計90匹のサンプルを対象に検査を複数回行ったところ、87%に当たる78匹の感染が確認された。直近の検査は今月7日。
当局は声明で、「人から動物への感染、あるいはその逆」が起きたかどうかについては結論を下せないと説明。「ミンクの間で異常な行動は確認されておらず、死亡率の上昇も見られない」と述べた。
ただ、予防措置として農場内の全てのミンクを殺処分にする方針だという。
ミンク農場で新型コロナの集団感染が起きるのは初めてではない。5月にはオランダ当局が、ミンクから人への感染が起きた可能性があるとみて、国内の全てのミンク農場に検査を義務付ける措置を導入していた。
動物保護団体ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルによると、オランダではこの結果、二十数カ所の農場で合わせて100万頭のミンクが殺処分になった。
オランダ政府は当時の声明で、「ミンク農場での感染に関する進行中の調査の結果を基にすると、ミンクから人への感染が起きたとみるのが妥当だ」と述べていた。