中東で51度の記録的猛暑、イスラムの祭日に新型コロナ重なる
(CNN) 中東の複数の都市が今週に入り、最高で51度に達する記録的な猛暑に見舞われている。熱波の中で新型コロナウイルスの流行が再燃し、イスラム教の祭日「イード・アル・アドハ(犠牲祭)」も始まった。
イラクの首都バグダッドでは、電力不足や生活必需品の欠如に対する抗議デモで2人が死亡、11人が負傷した。抗議デモは気温が50度に達する中、首都のタハリール広場で始まった。
人権団体の関係者が27日にCNNに語ったところによると、治安部隊はデモ隊に対して実弾やゴム弾、催涙ガスを浴びせたという。
30日と31日、その先の1週間の気温は40度台半ばから後半と予想され、過去最高を記録した51.1度よりはやや低くなる見通し。
クウェートの気温も24日に51度を記録した。ペルシャ湾岸地域では、砂漠の熱波に海からの湿気が加わり、27日午後の暑さ指数はクウェートのサルミヤで56度を超えた。
30日夜にはイード・アル・アドハの祝日を迎え、31日から4日間のイードが始まる。この期間は合同祈祷(きとう)や家族の集まりなどの祝祭行事が行われる。
新型コロナウイルスはイラクやイラン、サウジアラビア、エジプトで6月に入って感染者が増え、複数の国が感染の拡大を防ぐための対策を復活させた。
イラクは26日、症例数が10万例を超え、死者が4000人以上に上ったことを受け、10日間の夜間外出禁止を発表した。
イード・アル・アドハは、サウジアラビアのメッカ巡礼(ハッジ)に続く行事。例年であれば200万人を超す巡礼者が訪れるが、こちらも新型コロナウイルスの影響を受け、今年は29日の巡礼に集まった信者は1000人前後にとどまった。