メッカへの大巡礼、新型コロナの感染者は出ず サウジ保健省
(CNN) イスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカで先月28日から始まった「ハッジ」(大巡礼)で同国保健省は1日、参加した信者の間で新型コロナウイルスの感染者はこれまで出ていないと報告した。
ハッジは2日に終わる予定。
ハッジには例年、200万人以上が集まるが、今年は新型コロナの蔓延(まんえん)を受け海外からの巡礼者を拒む異例の措置を打ち出した。
CNNの取材に応じた保健省幹部によると、規模の縮小への準備は2月から始め、迎える巡礼者の人数も国内居住のサウジ人と外国人の1000人に限定した。年齢も20〜50歳とし、ハッジ開始前には14日間の隔離措置を実施。
新型コロナの検査も行い、対人距離の確保に関する訓練も施し、巡礼を監視したという。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、サウジ政府のこれらの対応を称賛。新型コロナウイルスなどと共存する「ニューノーマル(新常態)」に適応するため各国にも可能であり、実行しなければならない種類の措置の力強い明示であるとも主張した。
サウジの新型コロナの被害はアラブ諸国では最悪となっている。同国保健省は1日、1573人の新たな感染者と死者21人を報告していた。