5年前に失踪の男性、森の中で保護 殺害の疑いで警察が捜査 英国
ロンドン(CNN) 英国で5年近く前に行方不明になり、殺人事件に巻き込まれた可能性があるとみて警察が捜査していたリトアニア人の男性が、森林の中で生存しているのが見つかって保護された。
リカルダス・プイシスさん(当時35歳)はイングランド東部ケンブリッジシャー州の農園で働いていたが、2015年9月26日の土曜日を最後に目撃情報が途絶えていた。
週明けの月曜になっても仕事に姿を見せなかったことから不審感は募り、同年11月には警察が殺人事件として捜査を開始した。
しかし警察は今月3日になって、プイシスさんの失踪をめぐる謎が解けたと発表した。プイシスさんは自分の意思で逃亡して身を隠し、長い間誰とも話をしていなかったという。
警察は、プイシスさんが搾取の被害に遭って逃亡していた可能性があると説明。現在は身の安全を確保したとしている。
ケンブリッジシャー州警察の発表によると、プイシスさんは7月1日に同州ウィズビーチの森林で発見されていたが、警察は安全を守るため、これまで公表を控えていた。
警察にはプイシスさんが失踪する1カ月前の時点で、プイシスさんが搾取の被害に遭っているとの情報が寄せられていた。
プイシスさんは当時、仲介業者を通じて同州チャタリスの企業に雇用されており、農園で最後に目撃された後、複数のリトアニア人男性と一緒にいたとの情報があった。警察は、その晩に危害を加えられた可能性があると見て懸念を強めていた。
しかし昨年12月になって、プイシスさんを目撃したという情報が寄せられたことなどから捜査の方向性を変え、捜査員が捜索に全力を挙げた。それでも発見できなかったものの、ウィズビーチで生存している可能性があるとの情報が寄せられたことで、発見に至った。
プイシスさんは過去5年間、極めて困難な状況で生活していたために、支援を必要としていると警察は説明し、身の安全を守るとともに、支援にも力を入れるとした。プイシスさんが搾取されていたとされる事件についても、改めて捜査に乗り出した。