新型コロナ感染で聴力に障害か、退院後も悪化や耳鳴り 英大学調査
(CNN) 英マンチェスター大学の聴覚学の専門家は2日までに、新型コロナウイルスの感染者の一部が回復して退院後、聴力の悪化や耳鳴りが長期間続く障害を報告したとの研究結果を公表した。
聴覚学の国際学術誌への書簡で報告した。小規模な研究から得られた見方と断りながらも、新型コロナが体に長期間にわたって及ぼす影響力を理解する上で新たな事例の材料ともなると指摘した。
今回の研究は、感染して入院し、退院してから8週間経過した成人の121人を対象に調査。聴力上の障害の有無を尋ねたところ、8人が悪化を、別の8人が外部要因には起因しない耳鳴りの発生を認めたという。
同大の聴覚学の教授は、科学者は既に、はしか、おたふく風邪や髄膜炎などの他のウイルスも聴力の喪失を生じさせる可能性があるほか、コロナウイルスの場合は脳の情報の出し入れに関与する神経を損なう可能性があることを把握していると説明。
理論的には新型コロナウイルスが中耳や内耳にある蝸牛(かぎゅう)を含む聴覚系システムの一部に問題を起こすこともあり得ると分析した。