アフガンの米軍基地攻撃、イランがタリバーンに報酬提供か 米情報機関が示唆
ワシントン(CNN) 米国の情報機関は18日までに、イランがアフガニスタンの反政府勢力タリバーンのメンバーに報酬を支払う形で、アフガニスタンに駐留する米軍並びに同盟国の軍隊への攻撃を行わせていたとの見解を示した。該当する攻撃は昨年12月の米空軍基地への自爆攻撃など2019年だけで少なくとも6回確認できているという。
CNNが国防総省の文書を分析したところ、「報酬」は外国政府によって支払われた。タリバーンの序列2位の幹部が指揮するテロ組織ハッカニ・ネットワークがこれを受け取り、昨年12月11日のバグラム空軍基地への攻撃を実施したという。この攻撃では民間人2人が死亡。米国人の職員4人を含む70人以上が負傷した。
報酬を支払ったのがどこの国の政府かは機密扱いとなっているが、情報活動に精通した当局者2人はCNNに対し、それがイランを指していることを確認した。
この攻撃から1カ月と経たないうちに、米軍はイラクで空爆を行い、イラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害した。
イランがタリバーンに報酬を支払っていた可能性があるとする見解は、ロシアもタリバーンに報酬を提供して米軍を攻撃させていたとする疑惑に続いて浮上した。トランプ政権は過去数週間、一貫してこの問題を重要視しない姿勢を見せている。
ロシア側は上記の疑惑を否定している。
米政府がイランやタリバーンを表立って糾弾せず、外交的もしくは軍事的な対応にも踏み切らない判断を下した背景には、タリバーンとの和平交渉を維持したいとの思惑が透けて見える。
米国とタリバーンは今年2月、和平合意に署名した。こうした動きを通じ、米政府はトランプ大統領の就任前からの公約であるアフガン駐留米軍の撤退を実現させたい考えだ。