神経剤ノビチョクに触れた警官、相次ぐ事件めぐり謎めいたツイート 英国
ロンドン(CNN) ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏に対して化学神経剤「ノビチョク」が使われたとされる事件をめぐり、かつて英国でノビチョクに触れて入院した英国の警察官が3日、謎めいたツイートを投稿した。
警察官のニック・ベイリー氏は2018年、英ソールズベリーでロシア人の元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリア氏が襲撃された事件の捜査を担当していてノビチョクに触れ、入院していた。
今回のナバリヌイ氏の事件では、英国のジョンソン首相がロシア政府を非難して、「正義のために国際社会と連携する」とツイートしている。
ジョンソン首相のこの発言に対してベイリー氏は、「このツイートについては言いたいことがたくさんある。だが私にはできない。そのつもりもない」と書き込んだ。
I have so much that I want to say about this tweet. But I can’t, and I won’t. https://t.co/1ZzDzl5WKa
— Nick Bailey (@DSNickBailey) September 2, 2020
ベイリー氏の妻のサラ・ベイリー氏も、「正義は結構だが、行動は言葉以上に物を言う」とツイート。「ソールズベリーの出来事から2年半もたつのに、ドーン氏にも彼女の家族にも正義はなく、スクリパリ氏にも、チャーリー氏にも私たちにも正義はなかった。そしてまた同じことが起きた」とコメントしている。
サラ氏が言及したドーン・スタージェス氏(当時44)は、小瓶に入っていたノビチョクを香水だと思って肌に塗り、死亡した。パートナーのチャーリー・ローリー氏も病院に運ばれたが、後に回復して退院。スクリパリ氏と娘のユリア氏も一命をとりとめた。
英検察は2018年、ロシア人2人がスクリパリ氏の事件にかかわったことを裏付ける十分な証拠があるとしながらも、ロシア憲法で認められていないことを理由に、身柄の引き渡しを申し入れなかった。