ベトナム中部で水害 死者111人、道路や農地にも被害
(CNN) ベトナム中部で今月初めから豪雨や土砂崩れが相次ぎ、21日のロイター通信によると111人が死亡、22人が行方不明となっている。
ベトナム赤十字の責任者は20日の声明で、数十年に一度の被害だと述べた。
国営ベトナム通信(VNA)によると、これまでに農地7200ヘクタール余りが冠水し、70万近い家畜やニワトリが死んだり流されたりした。道路の損壊は国道16本と、4県の一般道路延べ約162キロに及んだ。
さらに今後、フィリピンに洪水をもたらした台風17号の接近が予想されている。
10月はベトナムの雨季に当たるが、今年の悪天候は特に農地や交通機関に重大な被害を及ぼしている。VNAによれば、今月中旬以降に直撃した台風15、16号で中部6県の計25万世帯以上が浸水した。水の深さが2~3メートルに達した地域も多いという。
赤十字のチームなどが地元当局と協力して救援活動を進めている。
同国で報告された新型コロナウイルス感染者は1141人、死者は35人にとどまったが、観光業に依存する経済は3月からの国境封鎖で深刻な打撃を受けた。そこへ水害が重なり、生活困窮者が急増する事態も懸念されている。