イランの有力な核科学者が死亡、暗殺か 国営メディア
イラン・テヘラン(CNN) イランの有力な核科学者モフセン・ファクリザデ氏が27日、首都テヘラン郊外で何者かに襲撃されて死亡した。イラン国営メディアによると暗殺とみられ、ザリフ外相はイスラエルが関与した可能性を指摘した。
ファクリザデ氏はイランの核開発を主導してきた一人とみられている。同氏の車はテヘラン東郊で待ち伏せ攻撃を受けた模様で、現場からの写真には、割れたフロントガラスや道路に付着した血が写っている。
イラン国営メディアはファクリザデ氏の殺害について、暗殺とみられると報じた。半国営ISNA通信はハタミ国防相の話として、同氏は銃撃を受け、車も爆発の標的になったと報道。その後に銃撃戦が発生したと伝えた。
ザリフ外相はツイッターで「きょう、テロリストが著名なイラン人科学者を殺害した」「イスラエルの関与を示す重大な形跡がある」としている。
CNNはイスラエル首相府にコメントを求めたものの、回答はない。
ファクリザデ氏はイランの精鋭「革命防衛隊」の新技術研究センターでトップを務め、長年にわたり同国の核開発を主導してきた。
トランプ米大統領はイスラエルのジャーナリストの投稿をリツイート。この投稿では、ファクリザデ氏が暗殺されたとの報道に触れ、「彼はイランの秘密軍事計画のトップで、モサド(イスラエルの情報機関)に長年マークされていた。彼の死はイランにとって大きな心理的、組織的な打撃となる」としている。
米当局者はCNNに対し、トランプ政権は状況を注視していると明らかにした。
イランでは複数の高官が今回の襲撃を非難し、報復を示唆。ISNAによると、革命防衛隊のサラミ司令官は殺害を「テロ工作」と形容する声明を出した。