イラン、ウラン濃縮度引き上げを発表 韓国船籍のタンカー拿捕
テヘラン(CNN) イランは4日、ウラン濃縮度を20%に引き上げる作業を再開したと発表した。2015年の核合意で定められた限界を大きく超えており、米国との緊張はさらに高まる見通しだ。
イランの通信社によると、イランは同日、韓国籍のケミカルタンカー1隻を拿捕(だほ)した。「ペルシャ湾で環境・化学汚染を引き起こした」という理由とされる。
この前日の3日は、米国が1年前にイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害した日だった。
イランのメヘル通信や国営イラン通信(IRNA)の報道によると、イラン政府報道官は4日、フォルドゥの地下核施設でウラン濃縮度を20%に引き上げる作業を再開したと語った。
イランの現在のウラン濃縮度は4.5%前後で、2015年の核合意で定めた3.67%は超えるものの、核兵器級とされる90%を大幅に下回る。イランは一貫して、核兵器製造の意図を否定している。
一方、イランの通信社やドライアド・グローバル社によると、韓国船籍のタンカーは4日、フジャイラに向かう途中、ホルムズ海峡でイランに拿捕された。
拿捕された韓国船籍のタンカー。イラン革命防衛隊の艦艇が随伴している=4日、ペルシャ湾/Tasnim News Agency/AP
韓国国防省は、ホルムズ海峡に海賊対策部隊を派遣したと述べ、同タンカーには韓国人5人を含む乗員20人が乗船していると説明。国防省と韓国大使館はイランに対し、乗員の安全確認とできる限り早期のタンカー解放を求めている。
米国務省はイランによるタンカー拿捕とウラン濃縮度の引き上げ再開を非難、「イランの濃縮計画はそもそも秘密裏に開発されたものであり、イランは過去の核兵器計画の膨大な記録や、その計画を主導した重要要員を保持している」「米国と国際社会はこの挑発的な歴史に照らし、イランの行動を評価する」とした。