イスラエル海岸に大量のタール漂着、鳥やカメが油まみれに　「最悪級の環境災害」

（ＣＮＮ） イスラエルの海岸にタール状の油塊が大量に漂着し、野生生物の生存を脅かしている。政府は流出元の特定を急ぐとともに、海岸への立ち入りを禁止して大規模な除去作業に乗り出した。

タールの塊は地中海に面した同国の沿岸に先週から漂着し始めた。政府の公式アカウントには、タールや油にまみれた海鳥やカメの写真が掲載されている。

イスラエル自然公園局は２１日、「ここ数日で膨大な量のタールが流出してイスラエル南部から北部にかけての海岸に漂着し、イスラエル史上最悪級の環境災害を引き起こしている」と発表。内務省は同日、海岸に近づかないよう国民に呼びかけた。

海岸では大規模な除去作業が行われているが、再び安全を取り戻すまでには長い時間がかかるだろうと自然公園局は予想。除去作業応援のボランティアを募るため、登録情報センターを設置した。

油の流出はまだ食い止めることができておらず、海岸にはタールが漂着し続けている。同局のフェイスブックによれば、「イスラエルの海岸１９０キロのうち、１７０キロが環境災害に襲われている」という。

油は沖合いの船舶から流出している疑いがあり、当局が流出元の特定を急いでいる。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相とギラ・ガムリエル環境保護相は２１日、タールまみれになった海岸を視察に訪れた。

ネタニヤフ首相は声明を発表し、「エジプト石油鉱物資源相と話をして、ここで見かける船舶は全て汚染燃料の代わりに天然ガスを動力源とするよう提案した」と述べている。

ガムリエル環境保護相は「汚染源となった船舶の保険会社を訴える可能性がある。それを突き止めるため全力を挙げる」と強調した。