ブラジルのサンパウロ州知事、大統領を「サイコパス」と批判
(CNN) ブラジル・サンパウロ州のドリア知事は22日、CNNとのインタビューで、かねて対立してきたボルソナーロ大統領を「サイコパス(精神病質)の指導者」と呼び、新型コロナウイルス感染拡大への対応を厳しく批判した。
ドリア氏はブラジルの現状について、「国のトップに不用意でサイコパスの指導者がいるせいで、何百万人もの人々が高い代償を払う悲劇的な時代のひとつ」にあると主張。新型ウイルスによる死亡例の多くは、ボルソナーロ氏がその地位にふさわしい責任感を持って行動すれば避けることができたはずだと述べた。
ボルソナーロ氏が数々の「信じがたい失敗」を犯してきたと振り返り、中でも最大の例は、住民を守ろうとする知事らと政治的な争いを繰り広げたことだと語った。
自身の対応については、ブラジル最大の州を率いる知事として、人生最大の難題に立ち向かったと強調。医療体制を「記録的」な速さで立て直し、経済危機を軽減するための方法を探す必要があったと述べた。
州内の病院や集中治療室(ICU)の窮状を訴えつつ、すでにICUの病床数を3倍に増やし、今月中には12の臨時病院を開設する予定だと述べた。
ブラジルでは全国各地で医療体制が逼迫(ひっぱく)し、ワクチン接種の遅れも目立つ。連邦保健当局の集計によると、人口約2億2000万人のうち、19日までに1回でも接種を受けた人は1000万人足らず、接種を完了した人は全体の1.57%にとどまっている。