ブラジルの閣僚級6人交代 大統領に近い人物が後任に
サンパウロ(CNN) ブラジルのボルソナーロ政権で29日、閣僚らの辞任が相次いで発表され、主要ポスト6人が一斉に交代した。
新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るい、ボルソナーロ大統領の対応に批判が集まるなか、主要な閣僚ポストを同氏に近い人物で固める狙いがあったとみられる。
まずアゼベド国防相が辞任を表明し、官房長官を務めていたブラガ陸軍大将が後任に就いた。
官房長官には大統領府のラモス政府調整庁長官が任命された。政府調整庁長官の後任は下院議員のアルーダ氏。
また、ボルソナーロ氏が国内3州のロックダウン(都市封鎖)解除を求めた訴訟への署名を拒否したレビ検事総長も辞表を公開した。後任にはメンドンサ法務相が就き、法務相ポストにはボルソナーロ一家と親交のあるトレス連邦警察庁長官が任命された。
さらにアラウージョ外相も同日辞任し、外交官出身のフランセ氏に交代した。
同国では先週、新型ウイルス感染拡大が始まってから3人目の保健相だったパズエロ氏が更迭され、4人目に交代したばかり。
当局の発表によると、国内でこれまでに確認された新型ウイルス感染者は1250万人以上、死者は31万人を超えている。26日と27日は連続して死者が3000人を超えた。保健省は25日、1日の新規感染者数としては過去最多の10万人を記録したと発表した。
ボルソナーロ氏は先週のテレビ演説で「今年はワクチンの年になる」と宣言したが、これまでロックダウンなどの感染対策に反対してきた姿勢が厳しい批判にさらされている。