コロナ禍のブラジル、医療危機が加速 新規患者受け入れ不可の病院も
サンパウロ(CNN) 南米ブラジルで新型コロナウイルスの第2波が一段の猛威を振るっている。すでに感染拡大のペースは米国を上回り、病院に収容しきれない重症患者があふれる状況にある。
ブラジルの新型コロナ関連死者数は、ここ数日立て続けに過去最高を更新。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、13日までの1週間の死者は1万2818人、新規感染者は46万4000人超とこれまでで最多となった。現状で感染拡大のスピードは、米国をも上回る兆候を示している。米国は感染者や死者の絶対数でブラジルよりも被害の大きい唯一の国。
医療の逼迫(ひっぱく)は深刻で、最も人口が多くかつ経済力の高いサンパウロ州でも新たな患者を入院させる余裕のある病院はほとんど残っていない。
14日の時点で国内21の州・連邦直轄区の集中治療室(ICU)占有率は80%を超えた。そのうち14では90%を上回っており、医療崩壊の瀬戸際にある。
南部の都市、ポルトアレグレでコロナ患者を扱う最大の公立病院は同日、新規患者の受け入れが不可能になったと発表した。
一方、ワクチン接種が完了しているのは現時点で人口のわずか1.4%。保健省は今月中に2200万~2500万回の接種が可能になると試算するが、当初予測された4600万回から著しく減少した形だ。