太陽光パネルの供給網、新疆の強制労働に依存か<上> 米エネルギー政策の要に影

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厳重警備施設の監視塔。この施設は再教育キャンプとみられる建物の近くにある=2019年5月/Greg Baker/AFP/Getty Images

厳重警備施設の監視塔。この施設は再教育キャンプとみられる建物の近くにある=2019年5月/Greg Baker/AFP/Getty Images

今回の報告書を受け、中国が世界の太陽光発電産業に占める役割の大きさに改めて厳しい視線が注がれそうだ。市場調査会社バーンロイター・リサーチによると、中国は各種の太陽光パネル部品の世界能力のうち71~97%を占める。新疆だけで世界の太陽電池級ポリシリコンの生産の半分近くを占め、業界大手の工場が集まる場所でもある。

一方、多くの国は汚染物質の高い電源からのシフトを進める中で、太陽光が重要な再生可能エネルギーになると見込んでいる。国際エネルギー機関(IEA)によると、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーは、今後10年間の発電量の伸びの80%を占める可能性がある。

米国では今後10年間で、2020年末時点の3倍の太陽光発電能力が整備される見通しだ。欧州連合(EU)では昨年、風力や太陽光のような再生可能エネルギー源から得られる電力が化石燃料を初めて超え、今後も太陽光利用の伸びが続くとみられている。

太陽光産業と新疆における強制労働がつながっている疑いが発覚したことで、こうした計画に大きな影響が出る可能性がある。より環境に優しい未来に寄与したいと考えながら、知らず知らずのうちに強制労働や石炭発電でつくられた部品を含む製品を買っているかもしれない消費者や企業にも影響がありそうだ。

「ウイルグル族の生活はこんなではなかった」

中国政府はこの4年間、新疆で巨大な厳重警備の収容所を運営しているとの疑惑の数々にさらされてきた。元収容者はCNNに対し、施設内で政治的洗脳や、食料や睡眠を奪われる虐待を受けたと証言している。

中国に対しては、これまでも強制労働を助長しているとの批判が出ていた。米税関・国境警備局(CBP)は強制労働への懸念から、新彊産の綿花やトマト、毛髪製品の輸入をこのほど禁止。英国やEUも同様の制限を検討している。

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